星組『愛するには短すぎる/ネオ・ダンディズム!-男の美学-』
2006年 08月 28日
昨日、27日、観に行ってきました。
約2ヶ月ぶりの大劇場です。
実はかなりの格安チケットでした。
この公演が人気がないというわけではなく、
父の職場から助成金が出て安くなったのです。
なんとS席¥7,500のところを¥4,500で!!
A席ですら¥5,500するので、かなりお得!
お父ちゃん、ありがとう☆
ちなみに今回のお席はS席1階13列21番と、
そこそこ前の方ではありますが、ちょっと下手寄りのところ。
この公演で男役トップの湖月わたるさんが退団。
わたるさんといえば、私のタカラヅカ初観劇作品『ベルばら』が思い出されます。
その後も、テレビで観たり、梅芸に『コパカバーナ』を観に行ったりと、
やたらと縁のあるジェンヌさんです。
そのため、退団されると聞いたときはすごくショックでした。
今もなんだか信じられない気持ちでいっぱいです。
宙組の『NEVER SAY GOODBYE』で和央さん&花總さんの退団公演を
観たときも思いましたが、退団公演はわざわざ「さよなら」を意識して
作られているんですね。
今回も見せ方やセリフに、わたるさんの退団という現実とリンクさせたものが
各所に散りばめられていて、とても切なくなりました。
では、観劇レポをネタバレを交えて。
ミュージカル『愛するには短すぎる』
資産家の養子であるフレッド(湖月わたる)は友人のアンソニー(安蘭けい)とともに、留学先からニューヨークへ帰る船に乗っていた。そこで偶然、故郷の幼馴染みで結婚の約束をしたバーバラ(白羽ゆり)と再会し、ふたりは惹かれあっていく。しかし、フレッドには養父が決めた婚約者ナンシー(陽月華)がおり、ニューヨークへ帰ると結婚させられることが決まっていた。さらに、バーバラに一目惚れしたアンソニーが積極的にアピールを始め、フレッドは焦る。また、バーバラもフレッドに惹かれながらも、一緒になることは不可能だと思いつつ、気持ちは膨らむばかりだった。ニューヨークへの航海はたったの4日間。ふたりはせめてその間だけは思いのままに愛し合い、しかし船を降りれば元の関係に戻ろうと約束する。その決断はあまりにつらく、切ないものだったが、「愛するには短すぎる」とは決して言うまいとフレッドは誓ったのだった。
というお話。
…なんですが、実はコメディだったりします。
私もはじめはとにかく切ない恋愛ドラマなのだと思っていたのですが、
予習に様々なところで観劇レポを読むと、みんな「笑った」と書いててビックリしました。
たくさん笑えて、けれどちゃんと泣ける、わたるさんらしい作品だったといえます。
私にとってわたるさんは「三枚目の方が似合う」という認識だったため、
でもカッコいいわたるさんも堪能できる満足のいくものでした。
なんといっても、未沙のえるさん演じる執事ブランドンがいい味出してました!
『コパカバーナ』のときも、その笑いのセンス溢れる演技に笑わせていただきましたが、
今回のブランドンも負けず劣らず面白い!!
このキャラが出てくるたびに客席から笑いが起きる!(笑)
声を出して笑うのを我慢することは至難の業です。
また、キャラ性だけでなく、シーンとしても笑える箇所がたくさんです。
冒頭にある避難訓練のシーンや、他の乗客の自殺騒動のシーンなど、
とにかくあちこちに笑いが散りばめられていて、息つく暇もありません。
わたるさんたち主役の皆さんもシリアスなラブシーンとコメディシーンを
行ったり来たりしてかなり忙しそうです。
でも、ちゃんとそれぞれテンションを使い分けていらっしゃるのが素晴らしいです!
ラストは、バーバラと別れ、自分の未来へと歩き出していくフレッド。
ここはモロに退団され、新しい道を歩き出そうとしているわたるさんを象徴しています。
最後の抱擁を交わし、「さよなら」を告げて去っていくバーバラ。
別れ難そうにふたりが抱き合う姿は、涙を誘います。
昨年の全国ツアー公演『ベルばら』で娘役トップとなられ、
およそ一年間という短い間でしたが、わたるさんの相手役をつとめてこられました。
バーバラに自分の気持ちを重ねて演じていらっしゃることでしょう。
演技とはいえ、毎日毎日別れを意識するのはつらいものがあるでしょうね。
また、アンソニーは後のことは任せて、自分の道を信じろとフレッドに告げます。
私はここでオペラグラスを構えたままボロ泣きしました(;_;)
わたるさんの後を受けてトップとなられることが決まっているトウコさん。
安心してほしいという気持ちと、頑張っていってほしいという応援の気持ちが
こめられた感動的なセリフでした。
ふたりがいなくなり、舞台に一人残されるフレッド。
フレッドのセリフを借りて、わたるさんの想いが語られていきます。
もうここはタオルを目の下に当てたまま動けませんでした。
切ない! 別れって、やっぱり切ない!
ひとり旅立っていくフレッドの後姿にすがりつきたくなりました……。
ここで休憩を30分挟みます。
ボロボロに泣いた後、座席でオニギリにかぶりつきながらまた泣きそうになる。
最後のセリフが何度も何度も反芻されて、切なくなってくるのです。
ロマンチック・レビュー『ネオ・ダンディズム!-男の美学-』
こちらは1995年に上演された『ダンディズム!』を再構成されたもの。サブタイトルにもなっている”男の美学”を、様々なスタイルから追求し、魅せていきます。男役の粋を集めた色気のあるダンスをメインにしていますが、娘役の可憐なダンスがその魅力を一層引き立たせる大人なショーです。
前半の『愛短』で感極まって泣きすぎたせいか、ちょっと意識とんでいました。(爆)
でもまさに「これぞタカラヅカ!」という感じの素敵なショーでした。
もちろんわたるさんメインにずっと観ていたんですが、
薔薇が鋳込まれた鏡の間に登場した緑色の人に心奪われました。
パンフの名前の順番から考えて、おそらく立樹遥さんです。
今まであんまり気にしたことのなかったジェンヌさんだったんですが、
あの髪形がものすごく似合っていて、ものすごくカッコよかったです!!
回っている盆の上で、娘役さんを優しく抱きしめている姿がもう……vV
でもちゃんと確認できていないので、そのうち『ル・サンク』で確認せねば。
というか、買おうかなとも思っていたりして。あはは。
このショーはですねぇ、もちろんダンスが素晴らしいんですが、衣装もいい!
龍の刺繍の入ったアオザイ風衣装、中世の貴族のような衣装、
カウボーイ風衣装、近未来的な宇宙服(?)のような衣装、
そしてお馴染み黒燕尾など…様々な衣装で目を楽しませてくれます。
ロケットの衣装も、頭についたでっかい薔薇がかわゆかったですvV
また、娘役にはめずらしく、パンツルックも見られました。
近未来的な宇宙服(?)のような衣装のところ。
これはミュージカル色の強いカッコよいシーンでしたね。
となみさんもかなり気合を入れて歌ってらっしゃいました。
フィナーレのちょっと前には、わたるさんのダイナミックなリフトもあり。
となみさんを片腕で振り回しておられます。ぐるんぐるん。
で、フィナーレは羽根を持って登場です。
背中にも羽根飾りをつけているので、全体的に華やか。というかゴワゴワ。(笑)
でもあんまり感動を感じなかったのは私だけでしょうか?
確かに「こんなふうに踊っているわたるさんを観るのは最後なのね…」と思えば
泣けてくることはくるんですが、『愛短』に比べると……。
もちろん、わたしのファン歴が短いのも原因だと思います。
長いファンの方はダンスだけにしても、様々な舞台を思い出されて、
募る想いもあるかもしれませんが、私なんて数えるほどしか知らないですもの。
そのへんは残念であり、後悔をしてもしたりないくらいです。
まさに、私の方こそ「あなたを愛するには短すぎた」という心境です。
わたるさんを知って、たかが9ヶ月の人間。
あまりに短すぎて、ファンというには恥ずかしいぐらいかもしれません。
それでも、私は私なりに彼女を愛していたし、別れを惜しんでいます。
わたるさんはこれから、新しい道に歩き出そうとしています。
それを応援したいという気持ちももちろんあるのですが、
今はまだ寂しい…切ない…という気持ちでいっぱいです。
もうしばらくはこの気持ちに浸りたいと思います。
そして東宝での公演も終え、本当に退団という日までには、
わたるさんの門出をお祝いできるようになっていたいと思っています。
まだ公演は続きますし、私もまた観に行きたいという気持ちがあるのですが、
先立つものがなくてはどうしようもないことで、もう無理かもしれません;;
けれど、わたるさんの退団を惜しんで、最後の勇姿をその目に焼き付けようと
たくさんの方が毎日大劇場に足を運んでいらっしゃることと思います。
その全ての皆さんに「やっぱりわたるさん最高!」と思わせる舞台を
力の限り踏ん張っていってほしいと思います。
本当に短い間でしたが、わたるさんという人を知れて、
そして好きになれて良かったです。
きっと忘れません!!
<後日加筆>
画像は幕が開く前に撮った写メ。
フレッドたちが乗る豪華客船。
ひとつ言い忘れていたことを追加。
この作品、だーれも死なない。それがたまらなく嬉しかったです。
約2ヶ月ぶりの大劇場です。
実はかなりの格安チケットでした。
この公演が人気がないというわけではなく、
父の職場から助成金が出て安くなったのです。
なんとS席¥7,500のところを¥4,500で!!
A席ですら¥5,500するので、かなりお得!
お父ちゃん、ありがとう☆
ちなみに今回のお席はS席1階13列21番と、
そこそこ前の方ではありますが、ちょっと下手寄りのところ。
この公演で男役トップの湖月わたるさんが退団。
わたるさんといえば、私のタカラヅカ初観劇作品『ベルばら』が思い出されます。
その後も、テレビで観たり、梅芸に『コパカバーナ』を観に行ったりと、
やたらと縁のあるジェンヌさんです。
そのため、退団されると聞いたときはすごくショックでした。
今もなんだか信じられない気持ちでいっぱいです。
宙組の『NEVER SAY GOODBYE』で和央さん&花總さんの退団公演を
観たときも思いましたが、退団公演はわざわざ「さよなら」を意識して
作られているんですね。
今回も見せ方やセリフに、わたるさんの退団という現実とリンクさせたものが
各所に散りばめられていて、とても切なくなりました。
では、観劇レポをネタバレを交えて。
ミュージカル『愛するには短すぎる』
資産家の養子であるフレッド(湖月わたる)は友人のアンソニー(安蘭けい)とともに、留学先からニューヨークへ帰る船に乗っていた。そこで偶然、故郷の幼馴染みで結婚の約束をしたバーバラ(白羽ゆり)と再会し、ふたりは惹かれあっていく。しかし、フレッドには養父が決めた婚約者ナンシー(陽月華)がおり、ニューヨークへ帰ると結婚させられることが決まっていた。さらに、バーバラに一目惚れしたアンソニーが積極的にアピールを始め、フレッドは焦る。また、バーバラもフレッドに惹かれながらも、一緒になることは不可能だと思いつつ、気持ちは膨らむばかりだった。ニューヨークへの航海はたったの4日間。ふたりはせめてその間だけは思いのままに愛し合い、しかし船を降りれば元の関係に戻ろうと約束する。その決断はあまりにつらく、切ないものだったが、「愛するには短すぎる」とは決して言うまいとフレッドは誓ったのだった。
というお話。
…なんですが、実はコメディだったりします。
私もはじめはとにかく切ない恋愛ドラマなのだと思っていたのですが、
予習に様々なところで観劇レポを読むと、みんな「笑った」と書いててビックリしました。
たくさん笑えて、けれどちゃんと泣ける、わたるさんらしい作品だったといえます。
私にとってわたるさんは「三枚目の方が似合う」という認識だったため、
でもカッコいいわたるさんも堪能できる満足のいくものでした。
なんといっても、未沙のえるさん演じる執事ブランドンがいい味出してました!
『コパカバーナ』のときも、その笑いのセンス溢れる演技に笑わせていただきましたが、
今回のブランドンも負けず劣らず面白い!!
このキャラが出てくるたびに客席から笑いが起きる!(笑)
声を出して笑うのを我慢することは至難の業です。
また、キャラ性だけでなく、シーンとしても笑える箇所がたくさんです。
冒頭にある避難訓練のシーンや、他の乗客の自殺騒動のシーンなど、
とにかくあちこちに笑いが散りばめられていて、息つく暇もありません。
わたるさんたち主役の皆さんもシリアスなラブシーンとコメディシーンを
行ったり来たりしてかなり忙しそうです。
でも、ちゃんとそれぞれテンションを使い分けていらっしゃるのが素晴らしいです!
ラストは、バーバラと別れ、自分の未来へと歩き出していくフレッド。
ここはモロに退団され、新しい道を歩き出そうとしているわたるさんを象徴しています。
最後の抱擁を交わし、「さよなら」を告げて去っていくバーバラ。
別れ難そうにふたりが抱き合う姿は、涙を誘います。
昨年の全国ツアー公演『ベルばら』で娘役トップとなられ、
およそ一年間という短い間でしたが、わたるさんの相手役をつとめてこられました。
バーバラに自分の気持ちを重ねて演じていらっしゃることでしょう。
演技とはいえ、毎日毎日別れを意識するのはつらいものがあるでしょうね。
また、アンソニーは後のことは任せて、自分の道を信じろとフレッドに告げます。
私はここでオペラグラスを構えたままボロ泣きしました(;_;)
わたるさんの後を受けてトップとなられることが決まっているトウコさん。
安心してほしいという気持ちと、頑張っていってほしいという応援の気持ちが
こめられた感動的なセリフでした。
ふたりがいなくなり、舞台に一人残されるフレッド。
フレッドのセリフを借りて、わたるさんの想いが語られていきます。
もうここはタオルを目の下に当てたまま動けませんでした。
切ない! 別れって、やっぱり切ない!
ひとり旅立っていくフレッドの後姿にすがりつきたくなりました……。
ここで休憩を30分挟みます。
ボロボロに泣いた後、座席でオニギリにかぶりつきながらまた泣きそうになる。
最後のセリフが何度も何度も反芻されて、切なくなってくるのです。
ロマンチック・レビュー『ネオ・ダンディズム!-男の美学-』
こちらは1995年に上演された『ダンディズム!』を再構成されたもの。サブタイトルにもなっている”男の美学”を、様々なスタイルから追求し、魅せていきます。男役の粋を集めた色気のあるダンスをメインにしていますが、娘役の可憐なダンスがその魅力を一層引き立たせる大人なショーです。
前半の『愛短』で感極まって泣きすぎたせいか、ちょっと意識とんでいました。(爆)
でもまさに「これぞタカラヅカ!」という感じの素敵なショーでした。
もちろんわたるさんメインにずっと観ていたんですが、
薔薇が鋳込まれた鏡の間に登場した緑色の人に心奪われました。
パンフの名前の順番から考えて、おそらく立樹遥さんです。
今まであんまり気にしたことのなかったジェンヌさんだったんですが、
あの髪形がものすごく似合っていて、ものすごくカッコよかったです!!
回っている盆の上で、娘役さんを優しく抱きしめている姿がもう……vV
でもちゃんと確認できていないので、そのうち『ル・サンク』で確認せねば。
というか、買おうかなとも思っていたりして。あはは。
このショーはですねぇ、もちろんダンスが素晴らしいんですが、衣装もいい!
龍の刺繍の入ったアオザイ風衣装、中世の貴族のような衣装、
カウボーイ風衣装、近未来的な宇宙服(?)のような衣装、
そしてお馴染み黒燕尾など…様々な衣装で目を楽しませてくれます。
ロケットの衣装も、頭についたでっかい薔薇がかわゆかったですvV
また、娘役にはめずらしく、パンツルックも見られました。
近未来的な宇宙服(?)のような衣装のところ。
これはミュージカル色の強いカッコよいシーンでしたね。
となみさんもかなり気合を入れて歌ってらっしゃいました。
フィナーレのちょっと前には、わたるさんのダイナミックなリフトもあり。
となみさんを片腕で振り回しておられます。ぐるんぐるん。
で、フィナーレは羽根を持って登場です。
背中にも羽根飾りをつけているので、全体的に華やか。というかゴワゴワ。(笑)
でもあんまり感動を感じなかったのは私だけでしょうか?
確かに「こんなふうに踊っているわたるさんを観るのは最後なのね…」と思えば
泣けてくることはくるんですが、『愛短』に比べると……。
もちろん、わたしのファン歴が短いのも原因だと思います。
長いファンの方はダンスだけにしても、様々な舞台を思い出されて、
募る想いもあるかもしれませんが、私なんて数えるほどしか知らないですもの。
そのへんは残念であり、後悔をしてもしたりないくらいです。
まさに、私の方こそ「あなたを愛するには短すぎた」という心境です。
わたるさんを知って、たかが9ヶ月の人間。
あまりに短すぎて、ファンというには恥ずかしいぐらいかもしれません。
それでも、私は私なりに彼女を愛していたし、別れを惜しんでいます。
わたるさんはこれから、新しい道に歩き出そうとしています。
それを応援したいという気持ちももちろんあるのですが、
今はまだ寂しい…切ない…という気持ちでいっぱいです。
もうしばらくはこの気持ちに浸りたいと思います。
そして東宝での公演も終え、本当に退団という日までには、
わたるさんの門出をお祝いできるようになっていたいと思っています。
まだ公演は続きますし、私もまた観に行きたいという気持ちがあるのですが、
先立つものがなくてはどうしようもないことで、もう無理かもしれません;;
けれど、わたるさんの退団を惜しんで、最後の勇姿をその目に焼き付けようと
たくさんの方が毎日大劇場に足を運んでいらっしゃることと思います。
その全ての皆さんに「やっぱりわたるさん最高!」と思わせる舞台を
力の限り踏ん張っていってほしいと思います。
本当に短い間でしたが、わたるさんという人を知れて、
そして好きになれて良かったです。
きっと忘れません!!
<後日加筆>
画像は幕が開く前に撮った写メ。
フレッドたちが乗る豪華客船。
ひとつ言い忘れていたことを追加。
この作品、だーれも死なない。それがたまらなく嬉しかったです。
by chizuru-66-lun
| 2006-08-28 19:06
| ☆タカラヅカネタ