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マンガを読むのが激遅っ!なチヅルのマンガ日記。でしたが、タカラヅカもあったり、シーズンごとにドラマ感想もあるよ。気楽にコメントドウゾ☆


by chizuru-66-lun
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『海の鈴 -つる姫物語-』

『船を降りたら彼女の島』の感想のときにちょこっと書いた鶴姫について。

私の鶴姫についての知識は、まぎれもなくこの本によるところが大きいです。
今思えば、親に初めて買ってもらったマンガだったと思います。

マンガと言っても、おそらく一般の書店には出回っていないのではないでしょうか?
たしか私は大三島の大山祗神社(※)に併設されている
国宝館という博物館で買ってもらったように記憶しています。
※「祗」という漢字、ただしくは「氏」の下の一本線はいらない。

 『海の鈴 -つる姫物語-』
  久保田ゆり/画  野副浩基/脚色
   発行者/三島喜徳
   発行所/大山祗神社社務所
   製作/マンガ合衆国
  平成2年4月1日初版



鶴姫は室町時代に生きた女性で、よく「瀬戸内のジャンヌ・ダルク」と称される。
女性ながら戦場で活躍したとして有名で、
先に述べた国宝館(もしくは、それに併設された紫陽殿)には、
彼女が身に付けたとされる女性用の鎧が展示されている。
この鎧は、日本に唯一現存する女性用の鎧として有名で、
胸のあたりが膨らみ、腰が細く引き締まった形をしている。

鶴姫の生まれた三島家は大山祗神社の神職にあり、
代々その祭祀を司る大祝職について大祝様と呼ばれていた。
また、三島水軍の元締めでもあり、その陣代を祝様と呼んでいた。
鶴姫が生まれたとき、大祝様は父・安用、祝様は兄(長男)・安舎が務めていた。
つまり、鶴姫は良いとこのお嬢様というわけである。

しかし、三島家には中国地方を二分する毛利と大内という強敵がいた。
その二大勢力が手を組んだと知り、焦りを感じたのか、
有能な武将として育てるため、鶴姫は幼少の頃から武芸をたたきこまれた。

そんな中、父・安用が病に倒れ、帰らぬ人となる。
それを受け、大祝様に安舎、祝様に次男の安房が就くこととなる。

やがて鶴姫は武士として生きていくことを決意する。
しかし、鶴姫も女性らしく恋もする。
相手は幼い頃から武芸においてのライバルであった黒鷹こと越智安成だった。
ふたりは行動を共にするにつれてお互いを意識し始める。

ところが、ふたりに平安な幸せは訪れない。
鶴姫17歳の頃、三島水軍は大内軍に攻められ、兄・安房が戦死する。
その弔い合戦で鶴姫は軍の指揮をとり、見事に勝利する。
この合戦の後、三島陣代には恋人・安成が就くこととなる。

その後も幾度となく攻め入る大内軍に苦しめられたが、
安成発案の奇襲戦法などで大内軍は壊滅的な打撃を受ける。
この負け戦によって大内義隆の信頼を損なった陶晴賢は、
自ら総大将となって大三島を討つことを決意する。
その意気込みの凄まじさのせいか、三島水軍は苦戦を強いられる。
ついには、活路を開くため、決死隊として安成は戦場に赴く。
鶴姫から渡されたお守りの鈴を胸に奮闘し、
作戦は成功するものの、安成は命を落としてしまう。

安成戦死の知らせを受けた鶴姫は悲しみの中、
兄・安舎の制止も聞かず軍の指揮をとり、敵の隙をついた攻撃をしかける。
そのときの鶴姫は鬼神のごとき強さだったという。

三島水軍は見事に勝利したが、何故か鶴姫はそのまま姿を消す。
鶴姫は愛しい人を失った悲しみに耐え切れなかった。
このまま武士として、男として生きていくことはできなかった。
鶴姫は辞世の句を残して自害したという。

「わが恋は 三島の浦の うつせ貝
          むなしくなりて 名をぞわづらふ」



というお話。
日本史の全くわかっていないチヅルによる説明ではいささか不安なので、
詳しく知りたい人は自分で調べられたほうが賢明だと思います。


しかし、実はこのお話、真実かどうかは不明。
鶴姫という女性が存在したことは事実ですが、
残された鎧の持ち主かどうか、それは証明されていないのです。

では何故こんなお話があるかというと、
大山祗神社の神主さん(?)三島安精さんが、
代々伝わる鎧と文書の記録を照らし合わせて、ある小説を書いたのです。
それが『海と女と鎧』という本。
つまり、事実証明のされていない創作だったりするのです。
だから「鶴姫伝説」とかいわれたりするんですねぇ。
まぁ、たとえ作り話だったとしても素敵なお話だからいいじゃないですか。
子どもながらに感動した私としては、いまだにずっと信じつづけてますが。



お話の信憑性の話はこのへんまでにしておいて。
絵は女性作家さんが描かれているので、迫力に欠けるのは否めません。
タッチも古い感じなので、若い子には受けつけないかも。
コマ割りも淡々としていて、「つまらない」と言えなくもない。(ひどっ)
でも慣れれば十分、安成はイケメンに見えるし、鶴姫も美人に見えます。
美しい男女の悲恋モノ、というわけです。

でもラストの美しさはオススメです。
とても綺麗な終わり方をしているのでお気に入りなのです☆
まぁ、ここだけをプッシュしても意味ないですが;;



余談。
鶴姫を扱ったマンガとして、『海鶴』というのがあるらしいです。

海鶴 (3)
森 秀樹 / 小学館
(画像のある巻が3巻だけだったので…)

この記事を書くにあたってちょっとググってたら出てきました。
<ビッグコミック>で連載されてたらしいので、ちょっとエロイとか……;
女性剣士に萌えを感じるのでしょうか。
いや、私だって巴御前とかちょっと萌えますもの。(笑)

あと、「忍者戦隊カクレンジャー」のニンジャホワイトが
「鶴姫」というらしいですが、これも件の鶴姫がモデルらしいです。
ちょっと見てみたくなりました。(笑)

テレビドラマでは、1993年に後藤久美子さん主演で
『鶴姫伝奇』というのがあります。

鶴姫伝奇
/ バップ

リアルタイムでは見てないのですが、再放送をちょこっと見たことがあります。
たしか後半の30分ぐらいしか見れてないかもです;;
でもなんか笑えました。(コラ)
by chizuru-66-lun | 2006-09-05 17:19 | ☆マンガレビュ