『ひつじの涙』全7巻 (ALL立ち読み)
2006年 10月 27日
何ヶ月かかかって、やっと立ち読みきることができた。
もうだいぶ前の作品になるんだなぁ。
日高作品は、『世界でいちばん大嫌い』(以下、『せかキラ』)までは全部持っている。
でもその後、『ひつじの涙』も続けて購入しようとは思わなかった。
『せかキラ』を読み終えたとき、
もうこのテンションにはついていけないや…
そう思ったのだ。
その時は。
大好きだった。『せかキラ』は。
キャラクターみんな好きで、愛しくて。
好きすぎて、自分も美容師になろう!と勘違いまでした。
もちろんすぐに目覚めることができたけど。
でも、あの長期連載が終わったとき、
私の中で“日高作品”に対する情熱まで燃え尽きてしまった。
秋吉家の長女がやっと出てきたことで、
そのシリーズの集大成を見てしまったように感じたのだ。
運良く(悪く?)も、次回作(『ひつじの涙』)は秋吉家シリーズではない。
ならば、ここで打ち止めしようではないか。
そう思った。
その時は。
しかし、あれから数年経って。
気付いてみれば、私は『桜蘭高校ホスト部』を読んでいる。
日高作品と似たようなテンションの高さに
フツーについていっている自分がいる。(笑)
それに気付いたとき、『ひつじの涙』を読んでみようと思った。
そんなわけで、全7巻を読んだ感想。
<花ゆめ>系作品独特(と言っていいのか?)の細かい書き文字…
何て言うんでしょう、あの噴き出しに入ってないセリフたち。
あれは出来る限り飛ばして読んだ。
全部じっくり読んでたらしんどすぎると思って。
そしたら、最終的には
面白さが半減したんじゃないか?と思ってしまった。
あれが日高作品の特徴であり、魅力だと思うのだけど、
それをことごとく読み飛ばすのはバカの所業ではないかと。
しかしまた最初っから読み直すのは面倒なので、
あの書き文字を読んでいないバカによるバカ感想になります。
何はともあれ、読みきった時の感想は、
「神崎、良かったね」でした。(笑)
最初の頃は、どのキャラも特別好きという感情は抱かなかった。
けれど、いつの頃からか、神崎を応援するように読んでいた。
報われないながらも、優しく圭ちゃんを見守る神崎が素敵で。
そしてへタレで、誰にでもいじられて、だけど本気で怒ることのない神崎。
彼を応援せずして、この作品を読む必要はあるのかと思うほど。
圭ちゃんのほんの些細な笑顔で、神崎が幸せな気分になるとき、
「神崎、よかったね」と思いながら、私自身も幸せな気持ちになった。
そんな作品だった。
もっと趣味に走った感想を述べると、
彩人・理人の双子話が一番好きだった。
5巻か6巻ぐらいの。(よく覚えてない;)
やっぱ双子って、それだけで魅力的なシチュエーションだわ。
彩人と理人のどっちの方が好きってことはなくて、
ふたりがふたりでいること、それが好き。
圭ちゃんが入っていけない世界をつくっているときが好き。
激しく、こんな兄ちゃんがほしいと思った。(笑)
あと、最後の方に出てきた、凌の小さいときが好き。
小さいというか…あの、指輪を隠しに行くときの黒髪の。
可愛すぎる。あんな弟がほしい。(笑)
それを見てからは、凌を見る目が変わったと思う。
黒髪の頃を見るまでは特に好きでも何でもなかったもの。ホホホ。
キャラについてはそんな感じだった。
じゃあ、ストーリーはと言うと。
特にキャラに思い入れがなかったぶん、
最後まで読むに至るほどひきつけられたのはストーリーのおかげだと思う。
何が良かったかと言うと、謎が多すぎたこと。
重要な部分がことごとく隠されて、とにかく何もわからなかった。
だからこそ、その先が気になり、読まずにはいられなかった。
「“引き”が上手い」とかじゃない。
ただ単に、わからないことが多すぎて、
このまま読むのを止めるには気持ち悪かった。それだけ。
でもだからといって、アホな学園ライフの描写を無駄とは感じさせなかった。
そう思えるほどに日高先生のハイテンションは継続されていて、
「無駄」と感じる以上に、「面白い」という感情の方が大きかった。
一度は「もうついていけない」とまで思ったハイテンション。
でもやっぱり読むと面白くて、笑いの中に引き込まれる。
日高マジック。がふっ。(私の日高先生のイメージはいつも「がふっ」)
うん。なかなか面白い作品ではあった。
楽しんで読むことができたことは事実。
でも買うかといえば、買わないだろうと思う。
やっぱり私の中で「秋吉家シリーズ」ってものがでかくて、
それ以外のハイテンション日高作品はどこか熱くなりきれなくて。
(余談だけど、「秋吉家シリーズ」でない『時間屋』は、
ハイテンションじゃなく、独特の雰囲気があるので非常に好きだったりする。)
面白かったけど、手元になくても困らない。
それが私の結論。…かな。
今は『V・B・ローズ』なる作品を連載されているとか。
しかも『せかキラ』の西女の制服が復活しているとか。
気になる……。
気になるけれども、今は読む気はない。
正確に言うと、読んでる暇はない。
なので、またいつか。
読めるときに、読みたくなったときに。
by chizuru-66-lun
| 2006-10-27 17:01
| ☆マンガレビュ